算数が得意になる方法

算数は積み重ねの教科

お兄ちゃんやお姉ちゃんが中学に入って初めて、小学校で学力が付いていなかったことに気付いたと、下のお子様を私の勤める学習塾に連れて来られる保護者の方が多くおられました。
「小学校のテストではまあまあの点数を取っていたから安心していた」という話を、よく聞いたものです。
小学校の学習難度を10とすると、中学は50、高校は100と言う先生もいます。
小学校の教科書に比べ、文字が小さく、その分、文字数が多くなった中学の理科や社会の教科書に拒否反応が出たり、中学1年の2学期以降、急に難しくなる英語を嫌いになるお子様もいますので、せめて、パズルやクイズに近いゲームのような科目、算数を小学校で得意科目にしてあげたいものです。
特に算数は積み重ねの教科なので、1年生の時からわからない分野を残さないようにしてあげてください。

苦手克服最短の道は正確で速い計算から

小学3年、4年で入塾してくるお子様が算数を苦手にしている場合、計算練習から始めて、計算を得意にしてあげることが学力向上への最短の道です。
その際、今の学年にこだわらず、計算がどこで躓いているかを把握して、そこから復習していくことが重要です。
計算の復習と当時に、他の分野(グラフや表、図形、長さ、かさなど)の復習も、学年を下げて復習することをおすすめします。
そうすることで、今の学年の学習内容の理解が容易になるため、「急がば回れ」なのです。

教科書に沿ったドリルをする場合、数種類のドリルを学習することをおすすめします。
一つのドリルを最初から最後(1学期から3学期)まで通して学習するのではなく、1学期の分野を学習したら他のドリルの1学期の分野、もう一つのドリルの1学期の分野を学習する。
できれば3つのドリルの1学期分を復習した後、2学期の学習分野に進み、同じように3つのドリルを学習する。
このようにして学年相当の学習内容を修得したら、学年を超えたドリルにも挑戦していくことで、柔軟な思考能力が育まれていきます。
学習ドリルも、基礎、応用、発展とあるので、お子様の様子を見ながら選んで頂き、各学年の学習分野の理解を深めることをおすすめします。
何故なら、10歳までに必要なことは、深く考える能力を伸ばしてあげることだからです。
計算は10歳になってからでも取り返せますが、深く考える能力は幼いころからの積み重ねで身に付いていくからです。

かさや時間の学習は実体験で

教科書やドリルのイラストと文字だけではわからない時間や長さ、かさは、実体験で理解できるようにしてあげてください。
算数が苦手なお子様は実体験が少ないという印象を持っていましたので、リットルやデシリットルなどの量を把握するためには、お風呂でペットボトルに水を入れて遊んだりすることをおすすめします。
テーブルなどが水浸しになる心配もなく、お子様は遊びながら「かさ」の理解が図れます。

休みの日に一緒に料理やケーキを作ると、g・㏄・mlという単位がたくさん出てきて、いつの間にか単位が得意なお子様になっています。
ゆで卵を作る時も、5分、6分、10分とゆで時間を変えて作って黄身の半熟度を調べたり、スパゲティーの太さでゆで時間が違うことに気付かせたりすると、お子様には興味が深まることと思います。
オクラや人参、ゆで卵を切って断面を見ると、図形の勉強になります。
餃子や鍋を食べる時、しょうゆ20㏄と酢10㏄を混ぜると、2対1という比の学びになります。
もちろん、味見をして調整が必要ですが・・・
ピザをデリバリーして等分に切ってもらうと、分数が体得できます。

時計の場合、時刻を読めるようになったら、「ゲームは2時から30分間。2時半までね」
「2時45分から30分。3時15分までね」など、次第に難しくしていけば理解がスムーズにいきます。
短針長針の表示に工夫している子供向けの時計もあるので、なかなか時計が読めないお子様におすすめです。

他にも、お買い物に行って、1週間分のおやつを選ばせる。
値段の計算はもちろん、1箱のクッキーを一日何枚ずつ食べる。
その場合は何日分、クッキーはある?
などなど、どうぞ、いろいろなアイデアを駆使して、お子様の勉強に協力してあげてください。

トランプ・パズルで算数脳を強化

ゲームで算数脳を強化するためには、トランプやパズルなどがおすすめです。
トランプは数字と量が一致している良いグッズなので、保護者の方達は毎日の生活で忙しく疲れていらっしゃるでしょうが、時間を見つけて遊んであげてください。
神経衰弱や七並べ、ババ抜きのような簡単なゲームを親子で楽しむことが、お子様の算数の力を伸ばすことにつながります。

数字を組み合わせる算数パズルも幼児向けの簡単なものからレベル毎にそろっていますので、お子様が興味を持つパズルを選んであげてください。
試行錯誤で正しい答えをさがす算数パズルは、考えて考えて答えにたどりつく力を身に付けられるので、算数学習にピッタリのゲームです

空間認識能力は積み木やブロックで

5~6年生で図形に苦手意識があるお子様は、空間認識能力が育っていないと言われます。
この空間認識能力は10歳までにしか伸ばせないものなので、積み木やブロック、工作などで育ててあげてください。
空き箱をつないだ工作物も、大人から見るとガラクタ同然ですが、お子様の頭の中では作りたい物体の図形が描かれています。
試行錯誤して作り上げる過程が大事なので、お子様が工作大好きなら、できるだけ空き箱をストックしておいてあげましょう。

一方、工作や積み木、ブロックが嫌いなお子様がいます。
そのような場合は、お手本通りに点と点をつないで図を描く「天才ドリル」をおすすめします。
お手本の図形を見ながら写すだけのドリルですが、立体図形の感覚が身に付きます。
また、空き箱を開いて再度組み立てさせる、折り紙で立方体や三角錐を作るなど、保護者の方もお子様の図形感覚を高めるための協力をしてあげてください。

計算は量をイメージできることが大事

計算に関して言えば、小学1年生は「小1の壁」という言葉がある程、苦手意識が芽生える時期です。
2学期に学習する「繰り上がりのあるたし算」に苦戦するお子様が多いからだと言われていますので、数の合成と分解の習熟を図ってください。
また、幼児期から順序数でたし算ひき算を学んできたお子様が、小学校で学ぶ「数の合成と分解(量・集合数)」の理解にパニックになることがあります。
順序数のたし算は、数字と数字の組み合わせで答えを覚えさせるものなので、かけ算の九九の様な暗記です。

学習塾で幼児に順序数のたし算ひき算をさせていた反省を基に作成した●○併記のプリ☆スタプリントですので、順序数で学んだたし算ひき算との違いにパニックになったり、順序数が抜けずに指を使っていたり、習熟が足りなくて答えがパッと浮かばないお子様におすすめします。
東大卒業の脳科学者中野信子先生が、「私達(頭の良い人)は漢字もイメージで覚える」と話していたのをテレビで見ました。
このイメージできる脳(右脳)は10歳までしか伸ばせないと言われていますので、このプリ☆スタプリントで数をイメージできるようにしてあげてください。

見直しの習慣をつける

計算練習もドリルもですが、解いたら見直すということを徹底してください。
見直すことでうっかりのミスや計算間違いが発見され、その分、点数がアップすることを自覚できれば、お子様の自信につながります。

算数は得意科目になりやすいので、どうぞお子様のために工夫をしてあげてください。
日々の小さなことの積み重ねが、お子様の算数はもとより、すべての学力の礎になります。

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