4歳~5歳におすすめの絵本
子どもの生活範囲は狭いので、たくさんの経験を積むことができる絵本をおすすめします。
文字や数字に興味が出てくるお子様も多いので、勉強という位置付けではなく、遊びとして、数字や数量を認識できる絵本をおすすめします。
算数に対し、就学後に苦手意識を持つと払拭するのが難しくなりますので、この時期に読み聞かせをとおし、楽しみながら数感覚を高める絵本をおすすめします。

2歳~3歳におすすめの絵本は、こちらで詳しくご紹介しています。

4~5 歳のお子様へのおすすめ絵本はこちらで紹介していますが、お子様が興味を持つ時期はそれぞれですので、あくまでも目安とお考えください。

絵本の読み聞かせの効果はこちらをご確認下さい。

はじめてであうすうがくの絵本1 (安野光雅の絵本)

         

著者安野 光雅
出版社福音館書店
発行日1982年11月20日
評価★4.6

学習塾の講師時代に、とても算数が好きな5歳のお子様がいました。
「お姉ちゃんの時は幼児教育を考えないで育てましたが、小学校に入学したら算数が苦手ということに気付きました。まさか、算数が苦手だなんて考えたこともかったからびっくりしました。『はじめてであうすうがく』をお姉ちゃんに買ったけど、お姉ちゃんは算数が嫌いになっているから受け付けなくて、弟の方が面白がって「読んで!読んで!」でした。お姉ちゃんのこともあったから、弟は早めに入塾させたんです」と話してくださったお母さんから教えて頂いた絵本です。

「すうがく」という題名からわかるように、「すうがく」の概念に触れる1冊で、勉強という言葉を知らない就学前の幼児期の方が純粋に楽しめる絵本です。
数学に楽しみながら興味を持ち、知らず知らずに考える力がついていきます。
10歳までにしか形成できない図形能力を高めるためにも、おすすめの絵本です。

ただ、お子様に数学を理解させようという目的ではなく、上記で紹介した男のお子様のように、「なんだかわからないけど面白い」と思ってくれたら良いと考える保護者の方におすすめの絵本です。
すぐの結果を求めず、「長いスパンで楽しみ、おまけで数学に強くなってくれたら」という程度の期待感で、親子で楽しんで頂きたい絵本です。

おうさまがかえってくる100びょうまえ!

著者柏原 佳世子
出版社えほんの杜
発行日2018年7月26日
評価★5.0

王様のいない日、王様の部屋で遊ぶ3人の家来は王様の部屋を散らかします。
そこに、あと100秒で王様が帰って来るのがわかったから、さあたいへん!
100秒間での片付けがダイナミックに描かれています。

絵本では数字を100まで数えるだけですが、1・2・3の横に100・99・98・・・と逆に書いてあげ、カウントダウンするのもお子様の数感覚を高めます。
消せるペンもいろいろ出ているので、おすすめの読み方です。
かたづけの前と後の部屋が描かれているので、間違い探しでも楽しめます。

王さまライオンのケーキ はんぶんの はんぶん ばいの ばいの おはなし

著者マシュー・マケリゴット(著, イラスト)
野口絵美(翻訳)
出版社徳間書店
発行日2010年4月16日
評価★4.8

王様からデザートに出されたケーキを半分にし、その半分を半分に、と次々半分にしていくと、最期は・・・?
王様の分がなくなったので、やさしいアリさんが王様のためにケーキを焼いてくる約束をします。
見栄っ張りな他の招待客は、じゃあアリさんの2倍、じゃあその2倍、そのまた2倍と、次々にケーキを焼いてくる約束をします。
半分や2倍の数を視覚的に捉えられるストーリー性のある面白い絵本なので、お子様が分数と倍数の概念を自然に習得する手助けになります。

くるまはいくつ (こどものとも絵本)

著者渡辺 茂男(著)
堀内 誠一 (イラスト)
出版社福音館書店
発行日1967年10月10日
評価★4.6

車が動くのはどうして?という視点から描かれた絵本です。
車輪の数に注目してお話が進み、最期には電車も出てくるので、親子で楽しめる絵本です。

絵本の中には「ぼく」の気持ちが書かれているので、お子様も同じ気持ちを共有しながら読んでいくことができます。

いたずらきかんしゃちゅうちゅう (世界傑作絵本シリーズ)

著者バージニア・リー・バートン(著, イラスト)
むらおか はなこ(翻訳)
出版社福音館書店
発行日1961年8月1日
評価★4.5

自由に走り回りたい、やんちゃな機関車ちゅうちゅうの物語です。
「お母さん! お母さん!」と、自分の方を向いてほしい子どもたちと同じ、可愛いいちゅうちゅうです。
『ちいさいおうち』の作者、バージニア・リー・バートンが1937年に描いたデビュー作なので、アメリカの古い列車も楽しめます。

せんろはつづく

著者竹下 文子 (著)
鈴木 まもる (イラスト)
出版社金の星社
発行日2003年10月1日
評価★4.6

鉄道が好きなお子様はもちろん、みんなで力を合わせて何かを作ることの楽しさを知ってほしいお子様にもおすすめの絵本です。
小さな子供達が山や川にぶつかり、「どうする?」と知恵を出し、どんどん線路をつないでいきます。

絵本を読んでもらいながら、お子さまはどうしたらこの困難を乗り越えられるだろうと考え、作り上げる喜びや楽しさも感じとることでしょう。

くまのこうちょうせんせい

著者こんの ひとみ
出版社金の星社
発行日2004年6月1日
評価★4.9

小学校の校長先生が余命宣告を受けた自分の闘病を通して、子供に対するそれまでの関わりを再考したという事実に基づいて書かれています。

大きな声であいさつができないひつじ君に、大きな声であいさつをするように励ましていた校長先生の心の変化を書いた絵本です。
この絵本で、子どもは認めてくれる大人がいれば勇気をもらえるということを伝えています。
同時に、大人の方に気付きを与える絵本でもあります。

どろんこハリー (世界傑作絵本シリーズ)

著者ジーン・ジオン(著)
マーガレット・ブロイ・グレアム(イラスト)
わたなべ しげお(翻訳)
出版社福音館書店
発行日1964年3月15日
評価★4.6

元気いっぱいのお子様を毎日追いかけているお母さんから、「うちの子、ハリーみたい」という言葉が出てきそうです。

そんなハリーの冒険物語に、幼い心は自分がハリーになったようにドキドキします。
そして最後は、子どもたちに「良かったね」という安心感を与えるストーリです。
3 色刷りなのでカラフルではありませんが、ハリーや男の子のいきいきとした表情と丁寧に描かれた背景に、大人も大好きになります。

ぐるんぱのようちえん

著者西内 ミナミ(著)
堀内 誠一 (イラスト)
出版社福音館書店
発行日1966年12月15日
評価★4.6

大きなぞうのぐるんぱはひとりぼっちです。
一生懸命働きますが、作ったものが大きすぎてニーズに合わないので、また、ひとりぼっちで出ていきなさいと追いやられてしまいます。
しょんぼりしていたぐるんぱが幼稚園を開くことになり、生き生きと働き始めます。
絵本を読んでもらいながら、一人ぼっちのぐるんぱを応援していた子どもは、最後のページに一安心。
ぐるんぱを読んでくれた大人に向かって見せる子どもの笑顔に、大人もうれしくなる絵本です。

1965 年から愛されてきた絵本です。

どうぞのいす (ひさかた絵本傑作集)

著者香山 美子(著)
柿本 幸造(イラスト)
出版社ひさかたチャイルド
発行日1981年11月1日
評価★4.4

顔が見えない誰かのために、動物たちが思いやりの心を示していく、ほのぼのとした絵本です。
繰り返しのなかにもユーモアやオチがあり、変化に富んでいるので、何度読んでも温かい気持ちになる名作です。

お友達にぶらんこを譲ったり我慢できるようになった子どもは、この絵本に描かれる思いやりに、自分のことを重ねて考えることができます。

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