小学校入学前の準備

お子様の小学校入学を前に、保護者の方は楽しみな反面、お子様が小学校生活になじむことができるだろうかという不安もおありかと思います。
準備しておいた方が良いと思うことを書いていきます。

生活面

早寝早起きなどの規則正しい生活リズムを作る

現在の日本では快適な春は短く、これからどんどん暑くなっていきます。
真新しいランドセルを背負って、学校帰りに汗びっしょりで塾に来ていたお子様方の様子が目に浮かびます。
緊張と暑さで疲れ果て、塾では眠ってしまうお子様もいたほどです。

まず、早寝早起きの生活ができるように、この時期は保護者の方が時間の管理をしてあげてください。
「何時だよ」という声かけをして、お子様が時計を意識して動くことができるように導いてあげてください。
お子様専用の目覚まし時計を一緒に買いに行き、小学校入学を機にセットする練習をするのもおすすめです。
しばらくは目覚ましが鳴っても起きられないかもしれませんが、次第に一人で起きることができるようになり、それが自立につながります。

トイレを含んだ生活習慣

学校帰りに塾に来て、「トイレ貸してください!」と、トイレに30分程籠るお子様もいました。
便秘を治すという、あらゆる食べ物やヨーグルトを試したけれど治らないという頑固な便秘のお子様も数人いました。
学校でトイレに長時間入るといじめられるという話も聞きますので、学校にいる時間帯にトイレ問題で苦しまないようにしてあげてほしいものです。
保育園・幼稚園から帰宅後、すぐにトイレに入って長時間出てこないお子様には、「幼稚園で我慢してたのね」位の気持ちでホッとさせてあげてください。(もちろん、お子様が流す前に分量や色のチェックはまだ必要です。腹痛で救急にかかってレントゲンを撮ったら、お子様の腹部いっぱいに便が溜まっていたという話を、塾の保護者からも聞きましたし、テレビでも見ました)

持ち物の整理整頓

学校では体操服に着替えたり、給食時の当番ではエプロンも身に付けます。
この面に心配なお子様の場合、ご家庭で保護者の方が一緒に練習をしてあげると、お子様も不安なく学校生活に慣れることができると思います。
保護者の方も「こんなのもできないの!」と叱るのではなく、「脱いだ服が上手にたためたね」「うまくエプロンのひもが結べたね」と、この時期を楽しんでください。

また、学校では、一つの授業が終わると次の授業の準備をします。
「教科賞とノートを出して、片付ける」「図工の道具を出して、片づける」など、一つずつ、手際よく行っていかなければなりません。
片づけの仕方(在るべき所に戻すこと)を教えてあげ、何度も言い続けてください。

持って生まれた性格ですぐにごちゃごちゃになるお子様もいますが、保護者の方が整理整頓の仕方を教えてあげると、学校では恥ずかしいと思ってきちんとするお子様も多いのです。
生活態度も含めて「家では言ううことをきかない、机の上もぐちゃぐちゃ」と保護者の方が嘆くお子様でも、学校や塾では優等生ということもあります。
まず、外できちんとしていてくれればOK、「家が息抜きできる場所というのは親を信頼している証拠、良いこと」位の気持ちで、お子様を見守ってあげてください。

給食時のマナー

給食に関して、盛り付け時に気を遣わないお子様がいじめにあうということもありました。
スープを器に注ぐ際、器に親指を入れて持ったことで「汚い」と言われたそうです。
器を持つ時は4本の指を揃えて器の糸底をしっかり支え、親指は器の淵に少しかかる位で持つということを、お子様に教えてあげることも必要かと思います。
食事時の準備の手伝いで、マナーも教えてあげてください。

学習に関して

ひらがなと数字の量の概念は入学前に

よく、「勉強は入学してからで大丈夫」と言われますが、学校の諸々はひらがなが読めることを前提に進んでいきます。

ずいぶん前のことですが、電車に乗った時に、4人掛けのボックス席で窓際のお二人が話していました。
通路側に座っていた私にも聞こえてくる声量でした。
二人は小学校の先生らしく、「入学する時にひらがなが読めないで良いなど、きれいごと。国語の教科書もひらがなを読むことから始まる。入学してひらがなを覚えなければならない子供は、最初からハンデがある」という内容でした。
塾の講師をしていた時でしたので、「これが学校の先生の本音」と痛感したものです。

『幼児(5歳)算数プリント』のところにも書いていますが、小学校によっては1年生の1学期に「正しいひらがなを書きましょう」というテストがあり、ひらがなの「はね」や「とめ」などを細かく採点されます。
ワクワクして入学したのに、「正しいひらがな」のテストに合格するために何回も追試を受けなければならない元気いっぱいのお子様と保護者の方を見て、お子様の器用さについても考えました。

数字やたし算の概念などについても『幼児(5歳)算数プリント』のところに書いていますので、お子様の性格や器用さなどを考えて、入学前に不安のないようにしてあげ、入学に備えて頂きたいと思います。

学校の準備を手伝ってあげる

兄弟がいるとその子中心に生活が回らないため、宿題、次の日の準備、お風呂などで慌ただしい夜の時間になるかと思いますが、この時期にたくさん手をかけてあげると、それがお子様の自立につながります。

「筆箱に鉛筆や消しゴムを揃える」
「宿題忘れがないかを見直す」
「次の日の持ち物を用意する」などを、最初はお子様と一緒にしてあげてください。
「自分のことは自分でする」が基本ですが、小学校に入学したお子様の年齢はまだ6歳です。
保護者の方の手がまだ必要な時ですので、家事などで大変でしょうが、お子様が自立するためには必要な通り道だと思って、時間の管理と共に、学校の準備にも手をかけてあげてください。

まとめ

お子様の「自立」のために必要な手助けは何か、という見極めが必要かと思います。
幼い時から自立に向けて、上記のことを実践してこられたご家庭であれば大丈夫でしょうが、いきなり、「もう小学生だから一人でしなさい」と、何でもお子様に任せても無理だと思います。
今までの子育てを振り返って、良い形の関わりを模索してください。

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