睡眠習慣の確立
働き方も様々な形態になりつつある昨今では、生活スタイルも人それぞれ違っています。
そんな中で、身体や心の健康を崩してしまう大人も多くみられるようになっています。
人間には、朝起きて夜寝るという体内時計が備わっていて、本来ならこれを整えることで身体と心の健康を保ち、健やかに生きていくことができ、これを整えるのが基本的な生活習慣です。

多くのお母様とお話をしてきて感じたのは、夕飯やお風呂の後、学校や塾の宿題をする力もないほどに疲れていて、8時頃には寝てしまう体質のお子様がいるということです。
しかし、保護者の9時迄には寝かせたいという願いに反し、なかなか寝付かないお子様も多かったのです。

さらに、一人のお母様の悩みが思い出されます。
担当していたお子様(小学2年生)のお兄ちゃんの悩みで、お兄ちゃんは中学に入学したばかりでした。
「『中学に入学したら買ってやる』という約束だったのでスマホを買い与えたけど、『夜8時以降スマホに触らない』という約束が守られない。スマホ相手の友達(3人)の家は約束がないらしく、夜遅くまで、布団に入ってからもスマホを触っている。取り上げると、友人関係に響くので悩んでいる。こども部屋が一つしかないので、小学2年生の弟も、お兄ちゃんにつられて夜更かしになっている」というものでした。
このように、最近は、テレビだけでなくスマホやゲーム機が浸透しているので、それが原因でお子様が早く寝ない、お子様の生活が不規則になって困るということが多いようです。
この保護者の方には、「約束は守るが基本。今の生活は、まだ成長段階にある中学1年生のお兄ちゃんには良くない状況。『買ってもらった時の約束を守りなさいと親から言われて、スマホを取り上げられた』と、友人に言わせたらどうですか? 親が悪者になったら?」とお話ししました。
意外なほどあっけなく、お兄ちゃんも忠告を受け入れたそうです。
お子様達も、お友達の手前、やめられないのかもしれません。

このサイトを訪問してくださっている、お子様がまだ低学年の保護者の方は、お子様が保護者の庇護の中にある今、「睡眠」という大事な生活習慣を確立してあげてください。

小学生の理想的な睡眠時間は9~10時間

理想的な睡眠時間をもとに逆算していくと、小学低学年までは、朝6時か7時に起きるためには、夜9時までには寝てほしいものです。
しっかり睡眠をとって学校に行くと、学習にも集中でき、楽しく活動できるので、「早寝早起き」を習慣にするために必要なことを紹介していきます。

早寝早きを習慣にするためのポイント

朝食をしっかり食べる

  
目を覚まさせる物質、セロトニンは、トリプトファンとビタミンB6、炭水化物により体内で作られますが、 トリプトファンは体内で生成することのできないので、食事からとる必要があり、牛乳、卵、チーズ、バナナ、豆腐などに多く含まれています。
ビタミンB6は、まぐろ、かつお、鮭、豚ヒレ肉、鶏ささみ、バナナ、パプリカ、さつまいも、玄米、にんにくなどに多く含まれています。
特にバナナは、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の3つをすべて含んだ食べ物なので、手軽で最適です。

太陽の光をしっかり浴びる

日光を浴びることは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を減少させ、覚醒ホルモンであるセロトニンを増加させるということがわかっています。
以前、あるテレビ番組の特集で、不登校になっているお子様に対する大学の先生のアドバイスは、「朝、まずカーテンを開けて、日光を浴びるようにしてください」というものでした。
日光には、しっかりと目を覚まさせる効果があるようです。

また、毎朝、日光を浴びることで、睡眠・覚醒リズムが整い、質のよい睡眠を得られるようになるとも言われています。

起きる時間は変えない

良い睡眠を習慣化するためには、朝起きる時間は平日も休日も一定にすることが大切と言われています。
一度リズムが崩れてしまうと、これを戻すのがとても大変ですので、例え前の日に夜更かしをしてしまっても、起きる時間だけは変えないことを徹底したほうが良いようです。

親も同じ習慣で過ごした方が良い

こうした習慣をお子様に身に付けさせるためには、やはり保護者の方も同じ習慣で過ごした方が良いのですが、なかなか難しいですね。

休日の朝の場合

幼稚園や小学生であれば、
・朝食用として、簡単なバナナ、チーズをテーブルに用意しておく。
・平日に見る余裕がないテレビ番組を録画しておき、まだ親が寝ている間に存分に見て良いことにする。

こういう方法で、休日の朝を乗り切っているご家庭がありました。

夜の寝かしつけ

早起きのためには、まず、就寝時間を早くしなければなりません。
夜、なかなか寝つかないお子様にイライラするでしょうが、人生のほんのひと時です。
思い切ってお子様と一緒に眠り、夜中に起きて自分の時間を持つなど、工夫をなさったらと思います。

ご家族の協力も必要

寝かしつけ時、他の方が帰宅してお子様を起こしてしまい、それから何時間も眠らなくなったなどの話も聞きます。
ラインなどで家族に、「今から寝かしつけ。静かに入ってきて」などの連絡をして、寝かしつけの邪魔にならないように協力して頂くことも必要です。

寝かしつけの絵本

脳科学や心理学に基づき、病院でも使用されている寝かしつけ絵本です。
『スグ効くおやすみ絵本 子猫のクウ ねむり城への大冒険』
知人に尋ねたら、「うちは効かなかったけど、友達の子には効きましたよ」ということでしたので、効果はそれぞれでしょう。

早寝早起きの習慣ができれば良いですね。

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