学習塾で教えていて、「人間はみな平等」という言葉は、持って生まれた能力に関しては当てはまらないと思いました。
しかし、お子様の能力は無限の可能性を持っていることを学びました。
おとなしく口数も少ない3歳の男のお子様を預かったことがあります。
「主人も私も数学ができなかったので、絶対この子も数学で苦労すると思っています。育児本を読んで、脳に良いと書いてあることをしてきました。赤ちゃんの時から読み聞かせと語りかけをして、物がつかめるようになったらブロックや積み木で遊んでやりました」とお母様は話されました。
塾では算数のドッツ●かぞえと数列を1〜200まで読み、数字を書く練習をしたのですが、そのお子様の吸収力は目を見張るものがありました。
しかし、同じ年齢のお子様達と比べると動きがゆっくりなので、お母さまが赤ちゃんの時から読み聞かせや語りかけをしてこられなかったら、ドッツかぞえなどにも苦労しただろうと感じました。
このお子様は成長するに従い動きも活発になり、6年生の時にはサッカーでキャプテンを務めるまでに成長しました。
また、中学高校で数学に苦労することなく、本人の『ぼく数学得意科目だから』という言葉に、赤ちゃんの時からの働きかけの大切さを実感した経験の一つです。
幼児教育に反対の保護者の方も多いのですが、小学4年生や5年生で入塾してきたお母様達からは、「早く勉強させていればよかった」という言葉が聞かれたものです。
私が勤めていた塾に高学年になって連れて来られたお子様たちは、勉強が苦手、特に点数に表れやすい算数がわからない状態で、自己肯定感が低いという共通点があります。
そのようなお子様たちに対し、まず、計算力を高め、算数に対する苦手意識を取り除いてあげ、算数を得意科目にして自己肯定感を高めてあげます。
しかし、高学年になっているために、取り戻すことに多くの努力が必要になる能力があります。
算数の文章題や国語・社会・理科の教科書を理解する読解力です。
例えば、算数の文章題を読み、場面をイメージし、式を立てるということを難なく行うためには、読解力や場面情景をイメージする力が必要で、それらを身につけるためには、幼いころからの読み聞かせや語りかけが重要なのです。
計算は小学5年生や6年生からでも取り戻せますが、高学年になって読解力を高めることは難しいのです。
「算数の前に国語」「計算の前に読み聞かせ」と私が考える理由の一つが、この講師時代の経験でもあります。
お子様が楽しい学校生活を送ることができるように、読み聞かせや語りかけをしてあげてください。
また、プリスタの文章題はいろいろな枝葉をつけた文章にして読解力が身につくようにしていますので、国語と思って学習して頂けたらと思います。
さらに、算数に関して一番大事なことは、10歳までにしか形成できない図形感覚や空間把握能力、算数のセンスを、パズルや積木、ブロック遊びで伸ばしてあげることです。
図形感覚や空間把握能力、算数のセンスも、高学年になって高めようとしても難しいからです。
幼児期・小学低学年期に相応しい学習方法で、大切なお子様の能力を大きくしてあげてください。
その合間に、このプリスタのプリントで右脳を活発にし、数の概念が身につくようにしてあげてください。
プリスタのプリントは、小学1年生プリントから答えを書くようになっています。
採点をすると、お子様がどんな問題を間違っているかなどがわかります。
6+7=14、6×7=43など、特定の問題を間違って覚えていることがあるので、お子様が間違った問題を確認して注意してあげてください。
小学1年生 S1プリントからの答え合わせは、忙しければ毎日採点する必要はありません。
もちろん、毎日採点ができるならばそれに越したことはありませんが、毎日採点ができない保護者の方は、週に1回、お子様が学習した1週間分をまる付けし、お子様の頑張りを認め、成長を喜んであげてください。
お子様自身が答え合わせをするということもあるかと思います。
その際も保護者の方がチェックして、まる付けが間違っていたらその箇所をもう一度学習させてください。
保護者の方からすればまる付けのミスを叱りたいでしょうが、うっかりの採点ミスか、お子様が「計算し直すのは面倒くさいなあ」とズルをしたミスなのか、どちらかわかりません。
ズルをしていた場合、お子様は「叱られるかも」と気になっているはずです。
「アラ、つけ間違い発見!残念でした!」くらいのニュアンスで言葉かけをするとお子様もホッとして、次第にズルをしなくなると思います。
長い目で見れば必ず力はついていくので、8割できていれば「ハナマル」くらいのおおらかさでお子様に対峙して頂きたいと思います。
そして、採点をして間違いがあれば、再度問題を解いて正しい答えにする。
これが大切です。
今、必ずしも良い点数が取れなくても、勉強ができなくても、復習を重ねて間違った個所を確実に身につけて間違わないようにすることが、学力を身につける王道なのです。
プリスタのプリント学習にかける時間はそれぞれのご家庭で決めて頂きたいと思いますが、高学年のお子様が数学年下のプリントから復習する場合以外は、計算練習に多くの時間を取る必要はないと考えます。
予習や今現在学校で習っている箇所を学習する場合は、1日に数ページの練習でも計算力はついていくからです。
毎日、少しずつの練習で算数の基礎体力である計算力を高め、お子様の学力向上に大切な応用部分のフォローをしてあげてください。
この時期に大切なのは、お子様の全体的な学習能力を高めるということなのです。
その中で計算は基礎体力にあたるので、もちろん大切ですが、それ以外の分野も大切だということです。
計算練習も大事、文章題の学習も大事、図形の学習も大事なのです。
計算以外の分野もしっかりと習熟していれば、4~5年生から中学・高校に向けての先取り学習(例えば、中学分野の正負の数、方程式、関数など)に進んでも間に合います。
小学低学年時の学習分野を習熟することで、中学年・高学年で学習する難しい割合、図形、速さなどが理解でき、一段と難しくなる中学数学の問題ができるようになるので、計算練習と他の学習に割く時間の割合を間違えないようにしてください。
中学に入って、方程式の練習問題は解けるけれど、文章問題で方程式が立てられないということになりかねませんから。
塾講師の経験から思うことは、「ライバルがいると、お子様は頑張る」ということです。
プリスタは家庭学習の目的で作成していますが、お友達同士で取り組む際の教材としてもお薦めします。
保護者の仲良しの方のお子様を誘って、または、お子様の友達の保護者の方に声をかけてなど、数人でグループを作って取り組むのも一つの方法です。
1人ではモチベーションが続かないお子様も、友達との切磋琢磨で続く可能性が高くなります。
もう一つの提案は、祖父母の方たちに手伝って頂くことです。
特におじいちゃんに関して言えば、現役時代は仕事に忙しく、我が子の子育てに関わってこなかったという忸怩たる思いを抱いている方が多いのです。
孫の勉強の手伝いができるとあれば、張り切って頂けるかもしれません。
ただ、あまり張り切られても、祖父と孫との関係性に変化が生じる危険性があるので、ほどほどの関わりにして頂くのが良いでしょう。
例1(近所に住んでいる場合)
おじいちゃんにプリントをダウンロードしてもらい、自宅で学習する。
1週間に1度、学習したプリントを持っておじいちゃんの家に行き、おじいちゃんにまる付けをしてもらう。
そこで間違い直しをして、次のプリントをもらってくる。
例2(遠方に住んでいる場合)
自宅でダウンロードして学習し、祖父母宅に2週間に1度程の割合で郵送する。
祖父母がまる付けをして、励ましの言葉を添えて送り返す。
間違いを直したプリントと新しく学習したプリントを、祖父母宅に郵送する。
学習塾に通っても、毎回出される課題のチェックをする必要があります。
学習塾にお任せでは、なかなか成績はアップしないものです。
それならば、このプリスタを活用して頂き、学習塾にかけるお金を思い出作りに使い、今この時を楽しんでください。
そして、中学・高校で自学自習できるようにしてあげましょう。
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